でなりらぼ(何で寒いか考えてみた)

基本、僕は忙しい。忙しくない時も忙しい振りをしないといけない。そーしないと些細な事に巻き込まれて、貴重な時間を浪費してしまうから。しかし、PCや携帯から離れられない文明中毒者にとって、それらを捨てる事は「コーヒーを入れないクリープ」より味気ない。で、捨てきれないでいたから「冬黒部横断で快眠する」方法を相談されてしまった・・・。ある程度の答えが出るまで「寒い」が頭から離れない、どーしてくれよーか。

とりあえず、過去の経験から「ふかふかダウンは快適であるが、べちょべちょダウンは糞である!」と「ダウンNG」宣言されてしまった。乾燥室で乾かせる山小屋泊や、1泊2日のテント山行と違って、重い雪をどラッセルして進む長期テン泊では、大敵な「濡れ」は防いでも防ぎきれない超難題である。寒くなる原因としては1,外気温、2,気化熱の2つ。1番は冬なので仕方ない。外気温が伝わりにくくするためには厚着したりレイヤリングで対処する。確かに、「乾いているもの」を使えば解決間違いなし。ただ、「乾かしながら」という事になると、2番が邪魔をしてなかなか快眠させてくれない。勿論、「化繊シュラフ」の選択肢は皆考慮してる。ただ、重い・・・。冷静且つ沈着なてふてふ佐藤ガイドからは「>マニア考察ありがとうございます。結局、寒さに耐えるか、重さに耐えるかの二択ですね。究極の選択です。」っとズバリ過ぎる返事が返ってきた。

インチキ山道具屋としても、一応、リアルインチキはマズイので中綿系シュラフの「温かい且つ、耐えうる重さ」を一生懸命探している。でもなかなない。スペック的に「0℃=32°Fレンジが限界」なのである・・・。更に「Vapor Barrier論」なんか読みふけって色々考えている。「汗を出しすぎず、外気を断熱」が理想なのは分かっているが、この湿気た日本で更に湿気たテントの中で「どーすんだい!」って感じ。 「もう店閉まりますよね、これから行ったら迷惑ですかねぇ~」っとサラッと電話かけてきて22:30分まで居座る、ネタ元の成田ガイドには「温かかそーな」化繊シュラフを見てもらったつもりだが、「これ、キャンプっす、ぷぅ」って笑われた・・・。で、まぁ、これ以上色々考えてもお肌に悪そーなので、1,ライナーをかぶる(ココはポイントで、アルミエマージェンシー系(透湿0)・薄い化繊系(透湿有り)のどちらが良いのか、感覚的には“透湿有り”だと思います。可能性としては、薄手化繊+アルミ+薄手化繊のトリプルが内側からも外側からも水分を適度に吸ってくれてイイのかなぁ)、2,化繊系シュラフ(ダウンはやはり、長期山行でロフトが沈みすぎる)、3,3L透湿系シュラフカバーの3層構造、“タオルケット+毛布+掛け布団”的な感じが良さそーな気がする。「ダブルシュラフ」もアリだけど、吸い代がでかすぎて、重いよね。そんな感じで、今日も電卓片手に重量チェックを繰り返すのだろう・・・。どちらに転んでも忙しい訳だ。

<自分の山も頑張って!>

essential line(佐藤勇介):http://essential-line.com/

成田賢二山岳ガイド事務所:http://www.narita-kenji.com/

でなりらぼ(大人の工作)

零号機の写真が無いので、壱号機から。“DARTWIN(ダートゥウィン)にアンチスノー”です。それにしても、すごく「エバ」っぽいよなぁ~、ダートって。

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零号機素材はプラ板でした。ちなみに、「プラ板」と言っても色々ある訳で、低温下OKな1mm厚PPを使いましたが、「傷が入りやすい」のと「フロントピース形状から固定しにくい」のが弱点で、すぐ諦めてVASAK(バサック)/SARKEN(サルケン)用のアンチスノーに素材変更しました。傷問題はPETZLが素材変更した時点でクリアー出来ましたが、問題は「固定」と「手間」です・・・。

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最近「手抜き疑惑」があるので、今日は特別に休日返上でラボ開設です。では、“DART(ダート)にアンチスノー”はじめます。

1,とりあえず、アンチスノーをはめ込んでみて、余っている部分を罫書き上手に切断。

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2,上手く収まったら裏返して、干渉するパーツに罫書きを入れる。

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 3,いらない所を切ったり削ったりして排除する。絶妙な堅さなのでいつもドキドキです、「力がいる=指ザックリ逝く」ので注意して下さい!!!。原発考えた人よりカッターナイフ作った人の方がどれだけ人類に貢献してるか・・・。

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4,微妙に調整して上手く収まったら固定です。結論から行くと下の状態。「高圧旋盤でホールしてリベット止め」もアリですが、普通の旋盤ではまず穴が開かないのですぐ諦め配線を止めをカットしながら固定。この方が「1.5台持ち」も可能なので最終的には便利かと。ちなみに、この状態は見た目は美しいのですが、配線止めはしょっちゅう外れます。クリップの所にダクトテープを貼ってしまった方が実用的です。

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例えば、八ヶ岳で「上は壁、下は氷」なんてよくある話ですが、バサック(デュアル平爪)とダート(モノ縦爪)をそれぞれ持って行くのも何なんで、ヒールピースが同じなら、フロントピース2個とセンターバー1個とヒールピース1個の「1.5台持ち」で行けば少し軽くなる。その時には分解しないといけないので、この位の出来映えで丁度良い。

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ちなみに、アンチスノーが3千円チョット、作業時間は限りない手作業でなので4、5時間掛かります。小声で「片側3千円ぐらい工賃もらってイイですか?」って聞くと、「え~ぇ~」って大きな声で返事されますが、自分の指が「ズバっと」いった時のリスクとしてはお安いモノです。まぁ、LYNX(リンクス)が出たのでこの仕事は廃業しよう・・・。

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でなりらぼ(クランポンチューン)

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11クオークは以前扱ったので割愛して、今日のお題は「サイボーグのMONO化」、難度Aの作業です。DARTWIN(ダートゥウィン)の研ぎと縦爪修正もついでに載せておきましょう。

「作業難度A」=「お子様ダッシュ」なのですが、「超難題」が1つだけあります、「パーツの紛失」です。「そんなのはじめから付いてなかった」的なことを言う「お子様以下」の大人が多数おりますが、皆さん必要な時が来た時のために、付属品の管理はしっかりして下さい!!。ちなみに、こちらのお客様は「完璧」。

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では始めます。

1,ネジをゆるめてフロントポイント、アンチスノーを外す。

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2,アンチスノーをノコギリ・カッターナイフで切断(「切る箇所」にマークした方がイイです。間違えると違う物ができあがります)。

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3,チョット小さいのと1番小さいスリーブで隙間を埋め、チョット短いネジネジで止めたら完成でございます。

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それにしても、カッターナイフを考えた人は天才だ。ただ、この年でこんなに工作するとは思わなかった・・・。

次に、縦爪の研ぎ方。先ずは裏から。

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次に側面。

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出来上がりはこんな感じ。上が未研、下が完成品。

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締めはDARTWIN。刃が細かいので研ぎすぎにご注意下さい。

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でなりらぼ(Extreme)

この業界にも息が長い「伝統工芸品」的な物が存在する。今日紹介するのは、berghaus(バーグハウス)YETI™ INSULATED(イエティ インサレーティッド)の装着方法でございます。

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僕が始めて見たのは20世紀であったのは間違えないが、ゴアプロシェル+プリマロワン仕様の物が出来ていたとは・・・、完全に忘れていたのに進化してやがる!。プラブーツ→シングルあったブーツと冬靴は進化していますが、“オーバーシューズの最終進化形”とでも言いましょうか、ここまで来ると偉大です!。しかし、そもそもこいつには「装着難度D」という猛烈に面倒な作業を伴うため、マニアの間でも「使ってみたいけど使わない」という評価微妙アイテムでございました。そんな折り、担当者のネギ坊が「画期的装着方法をあみ出した!」というので、早速試してもらいました。

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IMGP00321,ブーツに合ったサイズを用意して根性で伸ばす。

2,つま先を露出させるためにガンガン押し込む。IMGP0033

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 3,踵側に出来たたるみを根性でヒールに掛ける(金具を使ってテコの原理で落とし込む感じ)IMGP0036

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4,そんでもって前側のゴムをつま先に根性で掛けていく(この時、ストック・怪しげなL字金具を使うことが“画期的”なのである!)。IMGP0039

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5,そんでもってゴム位置を調整したらできあがり!、おー、確かに難度B位だぁ~。ドライヤー使ったり根性だけでどーにかするのとは訳が違う、偉いぞねぎ坊!!。IMGP0047

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 研究結果はAAAで大満足ですが、問題は「こいつをどこで使うか?」ってこと。個人的には「手間と効果」を考えても、普通にダブルブーツをすすめるだろーし、横にプリマ入れたところで雪や氷の接地面には何もないので、ダブルブーツの様な効果は望めません・・・。やはりオーバーシューズはオーバーシューズ、「シングルブーツのダブルブーツ変更キット」にはなりません!。まぁー、アレですよ、アレ。「6000Mクラスのダブルブーツの防寒対策」とか「どーしてもシングルブーツしかない人の気休め」とかそこそこ使い所はあるじゃないですか!。彼の努力をかってくれる人は、商品も買って下さい!。バーグハウスですよ、バーグハウス!!。

でなりらぼ(メンテ)

こちら、MAMMUT(マムート) Monolith GTX(モノリスGTX)。以前にも見たよーな気がしますが、別個体です。やはりクライミング系の方なので、フロントに負荷が相当来てます。電話でお話しして思い出す限り、確かに「1年チョット」の使用です。車同様、「所有期間と走行距離」は比例しませんが、「いや~、今までで1番良かった、凄い気に入ってる!。」なんて言われちゃうと、道具屋冥利に尽きますねぇ~!!。“ガンガン乗り回して下さい!”って感じ。そんな訳で、ヘビーユーザーの皆様、寒くなるこの時期は暫く使わなくなる夏靴のメンテ期間でもあります。時期が来て慌てる前に必要な方はやっておきましょう!

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でなりらぼ(アックス・クランポンチューン)

今シーズンのアップがてら済ませた作業が終わると、また、ごってりです。2011ver.ノミックとクオークです。

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で、出来上がりはこんな感じ。ポイントはクオークの「patented否定」かな。

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合わせてLYNX(リンクス)もご購入なので、モノポイント化してみた。フロントベールの入替以外は超楽。マニュアル見ると「踏みつけたアイゼンにテープを通し引き抜く」とあるので、やってみました。コレは使える。ただ、入れる時は十分注意して下さい。恐ろしい勢いで入ります。テープも以前の物より柔らかくなったし、「ピロピロ」が着いたので、外す時が楽になりましたね。トゥーベールセーフティーストラップは増設。前爪の出し具合は「合わせてみて」って感じ。ちなみに、ネパエボW’sでは「ベール一番後ろ、前爪短」が良い感じです。

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あと、色々調整希望する人は、来店前には「在庫確認」・「工場長の所在確認」をして下さい。トゥーベールのリベット打ちやら、センターバーのカットなんてしていると、時間そこそこかかります。限りないボランティア作業なのでこちらも本業優先です!、時間に余裕が無い時来るのも止めて下さい。よろしくお願いしますね。

でなりらぼ(アックスチューン)

手を加えた放置クオークの出来映えは、こんな感じ。片方は先が限界なので1コマ落しましたが、「貫通力」はこの程度で十分、「保持力」は数ミリ落としただけなので、特に変わらずでしょう。“キンキンに尖っていればイイ”ってもんじゃありません。鉛筆削るのと同じで、「キンキン」だから折れる、無駄に尖らせてどーすんだい?“、一撃(いや2,3撃!?)で決まれば!!”十分じゃないっスかぁ?。

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でなりらぼ(アックスチューン)

「ピック再生」ですが、限界があります。「貫通力と保持力のバランス」と言うのがその壁。まぁ、簡単に言うと「むやみやたらに研ぐな」ってこと。ヤスリ持ってシコシコしているといずれはなくなります、いくら尖らせてもちびって短くなったラムでは引きつけた際にすっぽ抜けてしまいます。ここがツボなんだけど、どーも皆さん、やたら研ぎたがる。まぁ、自分の物ですから好きなよーにして構いませんが、ケチョンケチョンの残骸を持ってくるのは勘弁して欲しい。“三角研ぎ”と呼んでいる内側へのきつい研ぎ込みは再生可能性を著しくダウンさせます、「自分でどーにかして下さい」って感じ。職人気質な工場長も生きるためには仕方がない、まぁ、「やれ」と言われればやりますけど、そこでお金使うなら新しいラム買って下さい!。ピックトップの形状は、丸とか四角じゃないよね~、勘弁してよぉ・・・。

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で、アフターはこんな感じ。「貫通力」は十分確保されますが、コマを落とした分「保持力」は落ちます。まぁ、前が前ですから、「絶好調」なんでしょーけど(笑)。

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で、半年放置の次の課題、クオークの先っちょはこんな感じ。

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おっ、先っちょはまだ完全に逝っていません!。ここは生かしたいなぁ~。頑張りましょう!。

でなりらぼ(アックスチューン)

「お待ち遠様でした」って漢字はこーなのかぁ・・・。そこに感心してしまいましたが、やる気になれば早いのです、今回の作品はこんな感じ。「クオークにsimondフィンガーガード」です。

ポイント1:グローブをはめた時の“握り幅”で位置を決定(「トリガーに指掛け持ち」は今はあまりしません、「グー持ち」サイズが良いと思います)。

ポイント2:フィンガーガードの取り付けは付属のネジではなく、3mmボルトを貫通させる(タッピングネジではガタつきが生じ集中力が削がれるし、穴が肥大するのでダメ)。

ポイント3:フィンガーガードの遊びのガタつきはグルーで調整(下方向に力がかかるので、適度に盛る)。

ポイント4:自己融着テープは「下から上」に巻き上げる(その方がめくれにくいです)。

以上4点が注意事項。「グリップの削り出し」と「旋盤で真っ直ぐ貫通させる」が難しい作業で、4h位で完成。ワンオフメイキング醍醐味ですが、失敗するかしないかは、やってみないと分かりません!(笑)。

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リーシュレス全盛時代を迎え、「レストし放題」・「持ち替えOK」ときたら、ココないと困ります。ぷるぷるしてる時に、「下の手を押さえつける上の手」は最悪です、泣けてきます、とても片手離せません・・・。また、きちっとボルトカットしておけば、すっきり収まるこいつは“痛くな~い”のも素晴らしい!。それにしても、クオークは息が長い、「完成されたアックス」=「道具屋殺し」ですね(笑)。