学生の経済事情と現代的食糧について

 現代の食料は実に軽量で体積も小さい。さらに水分も燃料消費も少なくてすむ。ウルトラライトは装備のみならず食料もまた例外ではないようだ。
 しかしそんな現代においても、学生の山行での食料計画は大抵の場合、生米生野菜が基本である。そして一日の食費は500円という遠足のおやつ並みの予算からすれば、α米(白米:294円)だフリーズドライ(カレー:315円)だなんてブルジョワジーの食べ物など我々の食卓にあがるはずも無いのである。もっとも学生などそんなもんだと言われればそれまでであるが。
 
 ちなみに今回の中国遠征での食糧はα米と具無しカレー、具無しシチューであった。
・・・。カレー、シチューはただのブロックのルーを溶かしたものであるが、アレ?おかしくね?α米食ってんじゃん?というご指摘があると思うので予め答えておこうと思う。
 やはり長期山行や軽量化を意識した活動では食料の軽量化は欠かせない物なので仕方なくα米の使用を決断したが、今回使用したα米は全て学校に常備されている非常食だったものだ。賞味期限は当然のように切れている。こんな時の為にも部室にはそういった学校の放出品的食料が常備されているのだ。やったね。(ちなみに生米は流石農大と言うべきか、OBから毎年届くものを使用している。)

 と、少し脱線してしまったがそんなブルジョワジーの食べ物は果たして旨いのだろうか?少なくともα米は旨いとは思えないが、果たしてドライフーズはどうだろうか。先日、思いがけずアマノフーズの『香る野菜カレー』315円を食べる機会があったので試してみた。
 お湯を注いでかき混ぜるだけ(約十秒)という簡単な調理はさることはながら、この香りはなんなんだ!確かに元々カレーは香辛料の香りが強いのだが、なんとも食欲をそそるいい香りが鼻孔をくすぐる。単純に私が前日から何も食べていないとはいえ、これは当たりの予感である。わずかな大きさのブロックから、ざく切りのナスや玉ねぎ、インゲン豆があふれてきて、見た目にもおいしい。もはや味の想像などいいともたやすくできた。というか、おいしかった。どちらかと言えばスープカレーでいわゆる日本のカレーではないが、スープのサラッとした感じがα米にはちょうどよかった。そう、これならα米もまたおいしく食べれるというものだ。もちろんスープのように飲んでもまたおいしい。
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 今回はカレーのみであったがアマノのドライフーズは中華丼や親子丼などの丼物や豚汁やナメコ汁などミソスープもある。ちょっとした山行のお昼ご飯にもちょうど良いのではないだろうか。オーナー曰くしびれるほど旨いそうだ。ためしに一食どうだろうか。
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α米も数種類から選べます。

と こ ろ でじゃあ今度からこれにしますか?と聞かれたらそれは悩む。これは我々にとって、いわばツェルトビバークをするか山小屋に泊まるかほど大きな問題なのである・・・。