エンジニアチームが作るテントが登場です。
■1人用のAX-79
■2人用のAX-130
これから詳細を記載しますが、山岳テントをよく知っている人でも新機能やきめ細やかな仕様に驚くことでしょう。
現在の山岳テントは完成された状態に近いため、強度面から大きく構造や素材変更がないカテゴリー。
逆を言うと、各メーカーに大きく構造の差が無いために、重量、強度、価格、+αのバランスが厳しく比較される。
そんな不動カテゴリーを大きく動かしてくれそうな山岳テントです。
【設営】
設営は、一番簡単なスリーブ一通式。
フライもバックル固定でスピーディー。
ボトムは15Dと薄いですが、同生地のフットプリントが付属なので安心です。
そして驚きが、フライ、インナー、フットプリントの全てを装着した状態からの設営と撤収ができる!! (予め下図のオレンジ、4隅をジョイントしておきます)
つまり、広げたら真ん中位置にあるインナーテントにポールを通してテンションをかけるだけ。
(紫フットプリント、緑インナーテント、黄色フライシート、黒ポール)
ダブルウォールテントなのに、この簡潔な設営。
コーナーの各ジョイント、特にフットプリントを固定できるのがありがたいです。拍手喝采。
※スリーブのセンター付近をポールが通過する時は、フライの下を覗き、ポールが正しい方向に引っかかりが無く入っているか確認しながらゆっくりと入れてください。
【耐風性】
内部の短辺側にクロスされたガイラインのプレハブ工法で、長辺側で受ける風での影響で起こるテント変形を抑制。こちらも拍手喝采。
(下部コーナーの計4所はメッシュポケット。)
自在が付いていてテンションの調整ができます。
ちなみに外側4カ所の自在は蓄光仕様となります。
ガイラインはリフレクター加工があり、視認性が高くなっています。
そして、オプションになりますが「エマージェンシーガイラインキット(ライン6本+ペグ入り)」を中に4本クロスで張ることで、より強度を高めることができます。
居住空間にヒモを張ることになるので、居住性は低くなります。
オプションの残り2本は、風の影響を受けやすい長辺側に頂点からガイラインを張る時に使います。
始点をクロスさせて張ることで、ポールの交わっている箇所が纏まり剛性が高くなります。
ラインはここから出せます。
オプションの「エマージェンシーガイラインキット(税込2,970円)」は冬期や長い山行の時に持参したいアイテムになります。
軽量化に貢献してるDACのフェザーライト NFL8.7でも、
この構造なら安心感があります。またも拍手喝采。
【快適性】
日本では結構大事なメッシュ地面積も大きく取られています。メッシュ生地で重量は大きく変わってきますが、そこの快適性を妥協していないところが良いですね。
カラーは、生地薄の現代テント環境に濃い色をあえて使用して中の透けを軽減しています。濃いグレーとなり光を吸収して日中はあつくなりますが、それはどのテントカラーでも日中はとても暑いのでプライバシーに重きを置いた設定です。
※天井部にはエマージェンシーガイラインキットを取り付ける為のループが4カ所ありますので、色々な事に活用できます。
後室ありのデザインで、メイン+前室+後室と快適に生活ができます。
ザック等の荷物を後室に置きつつ汚したくないという人はオプションになりますが「グランドシート for バックルーム(税込3,630円)」という後室の形とマッチしたフットプリントを設置することも可能です。
(テント内部から後室を見た画像↓)
簡単に取付ができるように、本体の3カ所にベルクロメスが設置してあります。
【各ベンチレーター】
入口上部のベンチレーターを開くためのバーは、ベルクロ固定では無く生地を傷めない差し込み式。
この受けスリットに、
バーを差し込みます。
ここも拍手喝采。
筒状のベンチレーターは、完全に閉まって危険な状態にならないように、フライと
インナーテントの各ベンチレーターは完全に閉まらない仕様。
※インナーテント換気口の虫除けは、完全に閉まります。
気付くところをザッと紹介させていただきました。
冒頭にも書きましたが、山岳テントカテゴリーを動かすシリーズになりそうです。
まさに社名のように、新たに改められたプロダクトですね。
■arata「AX-79」¥51,150(税込)
最小重量:915g
■arata「AX-130」¥53,900(税込)
最小重量:1,080g