職業ユーザー仕様(Tuned by でなり工場長)

お客様の仕事も手抜きしませんが、プロから依頼の仕事はこちらもプロなので、気合いの入り方が違うのです。

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職業ユーザーは大体、「イイ感じで」とか「適当な感じで」と言う、グレー極まりない言葉でオーダーされるから難しい。要するに、「研ぎすぎず、刺さらなさすぎず、で、石とか叩いちゃう事あるけど、そこん所もよろしく!」的な道具屋殺しの注文。

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先ずは、BD社のレーザーピック。納品先はみっち~

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その次は、PETZL社のノミック。MAMMUT仕様に勝手に変更して、納品先は山下@JAGU

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この時期、朝から晩までアックス振っている人だからこそ、朝から晩までグラインダー回している工場長の技術力分かるよね!?、「おーちゃん、センスねぇ~」など絶対言わせません!。

と魂込めて研いでますが、「違い?、分かんねぇ~。どれも刺さるからサ」っと言うコメントばかりで、僕の気合いは報われた事が無い。

おかしなブログ(でなりらぼ)

季節柄、こーゆーのばかりになっちゃてホント申し訳ない・・・。それでもご覧下さる読者の皆様、ホントありがとうございます!。でも、貴方も相当いっちゃてるかも、で、どーよ、この造形美♥。

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とりあえず、新品はどーでもイイ。問題はこの様な輩である。新しいピックをご購入頂いたついでに、ちょっと直しておきます。上の方は、先端がまだ残っているので何もしません。えっ!?、手抜きじゃないよ、割と筋がイイ研ぎしてるから、削るのがもったいないだけです。ヘッドが寝ていないので四角っぽい形なので、頭を少し削って△っぽい形にしてみて下さい。

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縦の基本、「下削り→上落とし→センター斜め削り」の順で作業です。

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左:新品チューンド・中:新品オリジナル・右:ピックトップ修正。でも、ピックトップの修正だけでは、厚みはどーにもならん。明らかに刺さりは違います。「振り」が完成されていない人が厚いので叩くと氷をおっかくだけでなかなか決まりません。

ちなみに、上手な人は厚みがあっても重くても「バシっ」と刺します。フォームが完成され、道具の性質を理解しているからです。それこにスタミナが加われば、研ぐ必要などまるで無し、工場長も引退です。

ですから、力もスタミナにも自信がない普通の人は少しでも刺さるように工夫して、更にはシャベル・トンカチ・重り、「今貴方に余計な物」は外して練習した方が上手になります。「え~、アルパインで使う時に馴れておきたいのにぃ~」なんて御託を並べる前に、フォームを固める練習して下さい。星飛雄馬見ろ、飛雄馬!、幾ら父ちゃん鬼でも、キャッチボールもまともに出来ないうちから養成ギブスは着けません!。必要になった時着ければイイじゃん・・・。

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横顔も記念撮影しておきましょう、上:ピックトップ修正・中:新品オリジナル・下:新品チューンド。

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記事を書いている自分で言うのも何ですが、「バックルーム」とはいえ、思考・志向・試行すべてズレている気がしてならない。単なる「先端マニア」のおかしなブログです。でも最後までご覧下さり恍惚とした気分になった貴方ほど僕は逝っていません!、仕事です、し・ご・と。

アイゼンのひも/其の6(でなりらぼ)

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Patagoniaさんは今年で40周年を迎えるそーです。おめでとうございます。おや!?、よく見ればアンバサダーもピロピロしてねーか!?。って、言うか惜しい!、この結び方チョット違う・・・。「らぼ」ちゃんと読んでねぇ~な。

この様に、ピロピロはトップクライマー足下にるだけで格好良さを奪います。わたくしの様な一般市民の足下に居候された日には、恐ろしい事この上なし。そんな訳で、今回もピロピロ撲滅のために頑張っていきましょう!。「えっ、まだやるの!?」って言われても、乗りかかった船です、諦めて今日も最後まで読んで下さい。

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で、今日は「前が樹脂」のタイプ、所謂、「セミワンタッチ系」や「全部ひも」の物を結んでみます。先ずはGRIVEL社のNew Matic((ニューマチック)。

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 先ずは、テープが揃う様に上から下に抜きます。

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続いて、外から中へオーバーハンド。

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「キュッ」と締めればハイ、完了。

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他の個体もチェック。PETZL社IRVIS(イルビス)FLEX LOCK(フレックスロック)、簡単に言えば全部ひものヤツ。

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続いてBD社の樹脂系ですが、柔らかくてよく締まるので入れ辛かったりするので、こんな工夫は如何でしょう?鍵なんに付いてるリングを通しておく。

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リングには簡単に通るので、そこを通してオーバーハンド。

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如何でした?。でも、そもそも論として、トップクライマーと言えどピロピロなら、ダラダラにだらしがなくない限り、ホントはココどーでもイイところ!?。いやいや、チョット待って下さい、想像してみて下さい「雪山行ったらみんなピロピロ」な世界を・・・。ステキなあの人もピロピロ、かわいいあの娘もピロピロ、はじめから抗わず、ピロピロさせている様な人は人間性を疑いたくなります。「環境問題」にもなりかねない!?、1人1人が丁寧にセットすることでこの美しき世は守られるのです!!。

ちなみに、次回もあります。「えっ、ホントまだやるの!?」って自分でも思いますが、一応「誰にでも出来そーな簡単なヤツ」をもう一つ考えているので、お願いです、最後まで発表させて下さい。つーか、ブログネタのストッカーに既にセット済み、へーき、へーき、日常の60%は仕込まれたネタみたいなモノですから(笑)。では。

でなりらぼ(斬新)

普通は1枚目で気づくよ、Sっち。「私やっぱ向いてない!?」って。それを3枚も触りやがって・・・。斬新。

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で、先ずはチーム分けです。「激辛」と「スパイシー」なのを。

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「激辛」チームのリーダー「それっぽい先っちょですが、削りすぎ。先端下側残っていません。直ぐに先が無くなっておしまい。峰も飛んじゃってます」くんです。

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次に、「激辛」チームの副部長、「今度は削りすぎない様注意しましたが、グラインダーが暴れて均等に削れない」くんです。

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で、触ればこんな感じ。でも見てくれだけ。道具屋としてはこーゆーのNGですが、数百円の小遣いに負け、ついつい言いなりになってしまう(笑)。

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で、「スパイシー」な方は、ご自身で作業された下の方は先端が少し短くなってしまいました。あ~もったいない・・・。

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何でも自分でやってみる事はイイのですが、道具屋さんは最終処分場ではございません!。お子様カレーが好きな僕に、「激辛&スパイシー」をソフトドリンクの様に飲ませるのだけ勘弁して下さい!、って言いつつ「らぼ」ですから、下手物もタマにはイイよね。

でなりらぼ(メンテとそれ以外=修行)

資源保護のために残しておいたこちら。

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縦爪のメンテナンスですが、「おまかせ」と言うことなので、ラウンド型なC社ですがG社やP社風の△な味付けにしてみましょう。独創的な削りをしていないので、その方が先端をあまり削らなくて良さそうです。

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先ずは△になるような線を引き、削ります。

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次にセンターを決めて左右から削ります。

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ヤスリで整えれば、完成。

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で、以前僕が修正した物の「再修正」の依頼ですが、創作意欲満々なのか自分でグラインダー回して色々削ってくる。言っておきますが、削った物は修正不可。削り落ちた物などつなぎ合わせられるハズない。また、これ以上ピックトップを短くすれば、氷では使えない。「ソース味の味噌汁」超えて「タバスコ味の味噌汁」です。「え~、ダメ元でお願いしてるんだけど、草付きたたくのに使うから、どーにかして」って言うけど、数百円の小遣い握らされて誤魔化されている気がする。付き合い長いから仕方ない。

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で、そーゆー人使いに闌けている人は他にも色々訳あり物件を出してくる。まともなの1枚だけかよぉ・・・。皆様のお道具で技を磨かせて頂いているので多少の困難も修行のうち、次回はこの「タバスコ味の味噌汁」を飲めるようにしてみます。ホント、削り過ぎだけはどーにもならんのでご注意下さい。その時間と手間を立派な仕事の方に回して、デナリさんではお買い物して下さい。

アイゼンのひも/其の5(でなりらぼ)

何故か分かりませんが『アイゼンのひも』シリーズは好評で、多くの中毒者を産出しております。そろそろ更新しないと、「おい、インチキ山道具屋、ひもの話どーなってんだよ!!」と炎上しかねません。厨房じゃあるまいし、「来週のジャンプが気になって仕方がない!」的な感じ。え~、もう少し引っ張る自信ありますが、大した話じゃないじゃん!、下らない話をさぞ立派に飾り立てる労力の方が魂抜かれて仕方ない・・・。とはいえ、読者の要望が多いので、ツナギを脱いで次は白衣!?、研究者も豪華なこのネタ、所長も頑張らねば。

先日のモンチュライベントでも、優秀な生徒は「テープの縛り方からカスタマイズまで」、“これでイイですよね?”と、しっかり復習しておりましたが、出来の悪い生徒は自分の靴とクランポンを持ち込んで、「イヤ、何か書いてあったの見ましたがちゃんと読んでないので分かりません、ハハハハは・・・」とツナギ着て「工場長」している僕の作業を妨害してくるから恐ろしい。そんな訳で、Hくん、直ぐに帰れると思うなよなっ!、君は家に帰って当然ブログ再履修ですが、「靴とクランポンの画像のため」に暫くココにいなさい!。

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で、こちら「トゥーベールリングを利用した縛り方」でございます。テープをきちっと揃えて通していますので美しい事この上なし、締め込めばこんな感じ。

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次に、裏メニューの「ダブルスルー」。

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先ず、金具に通す前に、テープを半分に折ってから金具に通します。この時、折り幅は5cmでは通しにくいので、7cm位は欲しいよね。いとちゃんが指差しているココの長さがポイント。

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そんでもって、折り返したテープループを指やピッケルピックを使って引き込んで締め上げてセット完了。

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簡単で緩みにくい事は素晴らしいのですが、このループに爪を引っ掛けてしまうリスクを常に伴うので、ループは小さい事が理想です。とはいえ、テンション入れていくとループは大きくなるので、ループ穴には十分にご注意下さい。

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で、更に優秀な生徒はもう気づいてしまってると思いますが、「ダブルスルー」と「トゥーベールリングを利用した縛り方」のカット位置は同じぐらいになるハズ。まぁ、言えばHくんの様な生徒のために、わざわざこのために線引いて撮り直したよーなモンです。

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で、Professor山下ご提供の画像は「横へのオーバーハンド」でしたが、僕は「フロント派」なので、この手の“セミワンタッチ”系クランポンを次回は研究です!。「え~、まだやるの!?」って感じですが、ブログ更新のために、どーか最後までお付き合い下さい。では。

なかなか終わらない原因は別の所にアルのか?

今日はPETZL系。「カスケードとアイス」、新旧クオークをまとめて完成させてやる!。

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旧クオークを削り出すと思わず手が止まる。当たりの感触や火花の出方が何時と違う。おや、昔のカスケードピックじゃん!、懐かしいぃ~。

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折角なので、記念写真をば。上がcharlet moser時代、下が現行PETZL charlet。

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あっ、分かりました!。店の2Fに在庫取りに行って記念写真なんて撮っているからいけないんだ!。なかなか終わらないのは忙しいからではない、自分が楽しみすぎているからじゃん!。仕方ございません、こーゆーのが僕のツボなんです。

本日もご覧頂いている読者の皆様、スミマセン、こんなのばかりで。

満員御礼!

今週末、1/26(土)・1/27(日)に行われる『第4回モンチュラ登山教室 ≪初心者のためのアイスクライミング教室in 岩根山荘≫』ですが、満員御礼!、多くの方々のお申し込みを頂けました。参加者の皆様、はりきって当日!。

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っと、喜びもつかの間、こんなにガッツリ参加されると、道具屋さんは道具のメンテにてんてこ舞い・・・。デナリさんレンタルギア分は「完璧且つ完全!」でなければいかんのですが、1シーズン寝かしておいた道具など錆び錆び、「刺さりそーもねぇ~」感じなので、メンテナンス作業開始です!。展示会忙しいわ、マニアなお客さんと話し込んですっかり暗くなるわ、どーして工場長の作業をみんなで妨害するかなぁ・・・。

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まぁ、多少の困難を乗り越えてこそ楽しい訳で、個人的に今回の仕込みを堪能してみよう!。先ずはこちら、とりあえず今シーズン買ってみたCASSIN社 X-DREAM with Race Pick。評価ポイントは「ネジが1本なので、ピックの交換が楽」なのがピットクルーとして◎。

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続いてこちら。タダの「いじくり込んだアナコンダ」ではない! 、「更にいじくり込んだアナコンダ」にしてみました。

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「どマニア」しか分からない話ですが、ボルトを「極低頭黒色酸化皮膜六角穴付」に、ナットを「3種ステンSUS304」に変更してみました♥。「何g落ちた?」など計るだけ無駄、振れば分かるじゃん、こんなもの。

フフフフ、地味なカスタマイズを施されている事など誰も気づくまい!。ココに「ぐぐっ!」て来た方、友達がいない僕と文通して下さい!。

<他告知先>

エアモンテ(株):http://www.airmonte.co.jp/

サミットガイドオフィス:http://homepage1.nifty.com/summit/index.html

成田賢二山岳ガイド事務所:http://www.narita-kenji.com/

アイゼンのひも/其の4(でなりらぼ)

“え~、写真なしですかぁ!?~。”ってつぶやいてみたら、数日後、山下教授から画像が来た。

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ちなみに、山ちゃん研究員は爆弾低気圧の中、壱号機テストパイロットの任務を遂行していましたが、「微妙、あってもなくても・・・、イヤ、1度使った程度では分からないのでもう少し時間下さい」的な所長の顔色を伺ったコメントが出されています。ハッキリ言っておきますが、作業している時点で結果はどーでもよい!、「このネタ何処まで引っ張れるか」の方が、所長には重要な任務に思えてきました(笑)。

上記画像はBD社セラッククリップ+MAMMUT 社ノルドバンドの組み合わせに、テープサイドへのオーバーハンドノットですが、テープと靴の隙間が少なく、決して「余裕で結べる」感じではない。

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一方、GRIVEL社エアテック・オーマチックのトゥーベールリングを通して結んだ場合、比較的楽に縛れる。え~、そーなると、結局、「メーカーごと・バインディングシステムごと、結び易い位置を研究」ってことですか?。分かりました。とりあえず、店内在庫を片っ端から結んでみて、研究結果を提出します。このネタで何処まで引っ張れるかも興味深いところですが、最終的に「ピロピロ撲滅」は真剣に考えています。中読者の皆様、薄れてきた期待に新たな光を!!。山道具屋ってホントに暇なのか!?。では。

アイゼンのひも/其の3(でなりらぼ)

話戻って、山ちゃん研究員が乗るGRIVEL社 Air Tech Cramp-O-Matic(エアテック・オーマチック)に壱号機を付けてみた。グリベルのヒモは価格・触感・操作性、どれを取っても◎なのでマニアうけもイイ

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「何処!?、壱号機?」な老眼予備又は正規パイロットの方のために拡大、ココっす。

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ヒモがイイのか、穴がイイのか?、理由は分かりませんが「ぐり」の「おー」の「とぉーべーる」は楽にヒモが通るので、結びやすい。だから、こんな事しなくてもイイ気がしてきた。

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「普通でイイ気もします」が、それは口が裂けても言えない。

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普段からどーでもイイ話を立派そーに書いて頂いている甲斐あって、所属研究員はキレが違う!、よく見ればいきなりパーツ持参だから偉い!。50円ほど時給Upした甲斐あるじゃん!!。

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但し、“2重セット”は大いに評価するが、コレでは「出来るだけ楽する」の目標からは少し遠ざかる気がする。結ぶのと同じぐらい手間掛かりません?。

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まぁ、よい。「ピロピロ撲滅」という崇高な志のために、山ちゃん、暫くテストよろしく。そんでもって、後でレポート提出もよろしく。それにしても今日も、うぅ~寒いっ・・・。