「お悩み相談所」みたいなモノです、GW前の山道具屋なんて(その2-2)。

今日は昨日の続き。「ベースレイヤについて~画像編~」でございます。写真だけ勝負するつもりでしたが、「脱、かあちゃん!」目指して文章も書きます。分かっている人は必要ございませんが、あほブログとはいえ、僕の労力を想像して下さい!、悩み多き方々は絶対最後まで読んでみて!。

<形状について>:半袖・長袖は分かるでしょうから、「クルー(丸首)・Zip」です。クルーのイイ所は「襟元スッキリ、首への圧迫感なし」です。Zipのイイ所は「暑ければ開放・寒ければ閉めるで温度調整楽々」です。「クソ」がつく温度帯では、長所を活かしきる事が出来るので、実戦実用志向の方は、Zip系を先ずオススメします。

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<生地の厚さについて>:先ずは「厚い物か薄い物」がオススメ。中取って「中厚」なんかにしてしまうと、寒くても暑くても使い勝手が悪い、「帯にも襷にもならない、中途半端な物」を手に入れることになります。でも、皆さん好きですよね~、そーゆーどっちつかずの物。その度「○○に騙された!」的な事おっしゃっておりますが、イイ所取りしようと自分で弾いたそろばんで転けているだけです(笑)。「全てが拾えないなら何を捨てるか決めろ」って事。今必要な物が何か分からない人は、「良さげな物」しか手に入りません!オススメの厚物系は、POLARTEC®社のPOWER DRY®系素材を使用したものが「信頼と実績」あり。POWER DRY®もGTXの様に細かく分かれていますので、もっと勉強したい人は色々調べてみて下さい。オススメ薄物は「兎に角薄くて涼しい」を探して下さい。「DENALI杯争奪、仕入選手権!」を勝ち抜いた商品は店頭でご確認下さい。

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ちなみに、ウチのスタッフと話しする時に「中厚」のイメージをするならこちら。Smart Wool社の「ミッドウエイト」やPatagonia社の「Capline3」。厚さが値化されている訳ではないし感覚的な要素も強いので、相手に欲しい物を伝えるには、基準が明確であることは重要。

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<素材について>:現代っ子なのでケミカルな物大好き!。でも、石油も天然素材なのか・・・?。白衣でなくツナギ着て仕事するインチキ山道具屋のレベルはこんなモンですが、何と言っても化繊の良い所は「構造バリエーションが豊富」というところでしょーか。

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上はPOLARTEC®社のPOWER DRY®系素材で、特徴は肌あたりが「面」ではなく「ドット(点)」であたる立体構造。厚みがあるドット部分と薄い部分により、汗抜けも良く暖かい空気が程良く貯まる。下はPatagonia社のCap3で「ハニカム構造」。パワードライの2.5次元版!?。まぁ、複雑な折りをする事で、均等な折りよりも何か優れているに違いない!!。

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そんな訳で、折角、機能性素材を堪能するな「POLARTEC®社」の様な、分かり易い素材を採用しているアイテムからスタートして下さい。勿論、日本が誇るTEIJIN社素材採用製品も数多くありますが、僕は繊維屋ではないので分かりません。多分、Cap3もそーだったよな?。

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勿論、ナチュラルはナチュラルで「安心の素材感」でイイのですが、物足りない実戦実用志向の方の中には「組合せ」で更なる進化を追求している人もいます。上は、メリノにfinetrack®社のフラッドラッシュ®スキンメッシュをドライレイヤー®として用いることで、単純な折りを補う技。コレはコレでアリですが、「ウール+化繊」=静電気起こりまくり、2アイテム購入でコスト高、どちらもお客様に敬遠される要素もあります。それにしても、ファイントラックは「®」が多い・・・。

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「ならば!」、と満を持して出てきたのが「ハイブリッド」ですが、「どちらつかず」な素材感が、僕に言わせれば、「とりあえずビール」的な感じで可もなく不可もなく。「自己主張が強い個性的な商品」に魅力を感じる僕としては、その素晴らしさが今一理解できていない。

で、いよいよ「何着ればイイですか?」の核心ですが、「沖縄500M台と北海道500M台」どちらを基準にしましょうか?。やはり、同時に語ることは不可能なので、何となく伝わりそうな感じで。

<残雪3,000Mクラスにオススメ>:基本的には、この冬に使っていたものでOKです。それを単体で着て、寒ければ今まで使っていた物をドンドン足していく。僕ならパワードライ。

<残雪2,000Mクラスにオススメ>:入山地点と山頂での温度差が出がちなこの高さでは、厚いパワードライでは、オーバースペック感があるので、それよりもやや薄い物がオススメ。そーすると、Cap3ぐらいの厚さは使いやすい。上と同様、寒ければレイヤリングで調整。

<新緑眩しい1,000Mクラスにオススメ>:「中厚以下 」でイイと思います。天気や場所によっては、「薄物にレイヤリング」の方が、日中にオーバーヒートしません。

残念な事に、天候・山域・それぞれの感覚まで分からないので、「予報」止まりでしたが、まぁ、「お悩み相談所」なんて、この程度です。貴方を完全救済するだけのピンポイントな物があれば悩み無用、初めから答え書いておきます。

で、「本日のまとめ」ですが、肌に触れるこの部分は「出来るだけイイ物を使う」を心掛けて下さい。5年間使った厚物は「使用・洗濯・使用・洗濯・・・」を繰り返すことで、生地は痩せドンドン劣化し、下手すれば「新品中厚」の方がよっぽど温かい。外見ばかり気にして、10万円のシェル買っても暑さ寒さを感じているのは貴方の皮膚です、「羨望の熱い眼差し」では寒さは凌げません!!。勿論、使える限り捨てる必要ありませんが、「1軍→2軍→3軍」と落として、実用に耐える状態での使用をオススメします。