アイゼンのひも/其の5(でなりらぼ)

何故か分かりませんが『アイゼンのひも』シリーズは好評で、多くの中毒者を産出しております。そろそろ更新しないと、「おい、インチキ山道具屋、ひもの話どーなってんだよ!!」と炎上しかねません。厨房じゃあるまいし、「来週のジャンプが気になって仕方がない!」的な感じ。え~、もう少し引っ張る自信ありますが、大した話じゃないじゃん!、下らない話をさぞ立派に飾り立てる労力の方が魂抜かれて仕方ない・・・。とはいえ、読者の要望が多いので、ツナギを脱いで次は白衣!?、研究者も豪華なこのネタ、所長も頑張らねば。

先日のモンチュライベントでも、優秀な生徒は「テープの縛り方からカスタマイズまで」、“これでイイですよね?”と、しっかり復習しておりましたが、出来の悪い生徒は自分の靴とクランポンを持ち込んで、「イヤ、何か書いてあったの見ましたがちゃんと読んでないので分かりません、ハハハハは・・・」とツナギ着て「工場長」している僕の作業を妨害してくるから恐ろしい。そんな訳で、Hくん、直ぐに帰れると思うなよなっ!、君は家に帰って当然ブログ再履修ですが、「靴とクランポンの画像のため」に暫くココにいなさい!。

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で、こちら「トゥーベールリングを利用した縛り方」でございます。テープをきちっと揃えて通していますので美しい事この上なし、締め込めばこんな感じ。

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次に、裏メニューの「ダブルスルー」。

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先ず、金具に通す前に、テープを半分に折ってから金具に通します。この時、折り幅は5cmでは通しにくいので、7cm位は欲しいよね。いとちゃんが指差しているココの長さがポイント。

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そんでもって、折り返したテープループを指やピッケルピックを使って引き込んで締め上げてセット完了。

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簡単で緩みにくい事は素晴らしいのですが、このループに爪を引っ掛けてしまうリスクを常に伴うので、ループは小さい事が理想です。とはいえ、テンション入れていくとループは大きくなるので、ループ穴には十分にご注意下さい。

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で、更に優秀な生徒はもう気づいてしまってると思いますが、「ダブルスルー」と「トゥーベールリングを利用した縛り方」のカット位置は同じぐらいになるハズ。まぁ、言えばHくんの様な生徒のために、わざわざこのために線引いて撮り直したよーなモンです。

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で、Professor山下ご提供の画像は「横へのオーバーハンド」でしたが、僕は「フロント派」なので、この手の“セミワンタッチ”系クランポンを次回は研究です!。「え~、まだやるの!?」って感じですが、ブログ更新のために、どーか最後までお付き合い下さい。では。

なかなか終わらない原因は別の所にアルのか?

今日はPETZL系。「カスケードとアイス」、新旧クオークをまとめて完成させてやる!。

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旧クオークを削り出すと思わず手が止まる。当たりの感触や火花の出方が何時と違う。おや、昔のカスケードピックじゃん!、懐かしいぃ~。

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折角なので、記念写真をば。上がcharlet moser時代、下が現行PETZL charlet。

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あっ、分かりました!。店の2Fに在庫取りに行って記念写真なんて撮っているからいけないんだ!。なかなか終わらないのは忙しいからではない、自分が楽しみすぎているからじゃん!。仕方ございません、こーゆーのが僕のツボなんです。

本日もご覧頂いている読者の皆様、スミマセン、こんなのばかりで。

満員御礼!

今週末、1/26(土)・1/27(日)に行われる『第4回モンチュラ登山教室 ≪初心者のためのアイスクライミング教室in 岩根山荘≫』ですが、満員御礼!、多くの方々のお申し込みを頂けました。参加者の皆様、はりきって当日!。

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っと、喜びもつかの間、こんなにガッツリ参加されると、道具屋さんは道具のメンテにてんてこ舞い・・・。デナリさんレンタルギア分は「完璧且つ完全!」でなければいかんのですが、1シーズン寝かしておいた道具など錆び錆び、「刺さりそーもねぇ~」感じなので、メンテナンス作業開始です!。展示会忙しいわ、マニアなお客さんと話し込んですっかり暗くなるわ、どーして工場長の作業をみんなで妨害するかなぁ・・・。

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まぁ、多少の困難を乗り越えてこそ楽しい訳で、個人的に今回の仕込みを堪能してみよう!。先ずはこちら、とりあえず今シーズン買ってみたCASSIN社 X-DREAM with Race Pick。評価ポイントは「ネジが1本なので、ピックの交換が楽」なのがピットクルーとして◎。

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続いてこちら。タダの「いじくり込んだアナコンダ」ではない! 、「更にいじくり込んだアナコンダ」にしてみました。

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「どマニア」しか分からない話ですが、ボルトを「極低頭黒色酸化皮膜六角穴付」に、ナットを「3種ステンSUS304」に変更してみました♥。「何g落ちた?」など計るだけ無駄、振れば分かるじゃん、こんなもの。

フフフフ、地味なカスタマイズを施されている事など誰も気づくまい!。ココに「ぐぐっ!」て来た方、友達がいない僕と文通して下さい!。

<他告知先>

エアモンテ(株):http://www.airmonte.co.jp/

サミットガイドオフィス:http://homepage1.nifty.com/summit/index.html

成田賢二山岳ガイド事務所:http://www.narita-kenji.com/

アイゼンのひも/其の4(でなりらぼ)

“え~、写真なしですかぁ!?~。”ってつぶやいてみたら、数日後、山下教授から画像が来た。

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ちなみに、山ちゃん研究員は爆弾低気圧の中、壱号機テストパイロットの任務を遂行していましたが、「微妙、あってもなくても・・・、イヤ、1度使った程度では分からないのでもう少し時間下さい」的な所長の顔色を伺ったコメントが出されています。ハッキリ言っておきますが、作業している時点で結果はどーでもよい!、「このネタ何処まで引っ張れるか」の方が、所長には重要な任務に思えてきました(笑)。

上記画像はBD社セラッククリップ+MAMMUT 社ノルドバンドの組み合わせに、テープサイドへのオーバーハンドノットですが、テープと靴の隙間が少なく、決して「余裕で結べる」感じではない。

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一方、GRIVEL社エアテック・オーマチックのトゥーベールリングを通して結んだ場合、比較的楽に縛れる。え~、そーなると、結局、「メーカーごと・バインディングシステムごと、結び易い位置を研究」ってことですか?。分かりました。とりあえず、店内在庫を片っ端から結んでみて、研究結果を提出します。このネタで何処まで引っ張れるかも興味深いところですが、最終的に「ピロピロ撲滅」は真剣に考えています。中読者の皆様、薄れてきた期待に新たな光を!!。山道具屋ってホントに暇なのか!?。では。

アイゼンのひも/其の3(でなりらぼ)

話戻って、山ちゃん研究員が乗るGRIVEL社 Air Tech Cramp-O-Matic(エアテック・オーマチック)に壱号機を付けてみた。グリベルのヒモは価格・触感・操作性、どれを取っても◎なのでマニアうけもイイ

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「何処!?、壱号機?」な老眼予備又は正規パイロットの方のために拡大、ココっす。

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ヒモがイイのか、穴がイイのか?、理由は分かりませんが「ぐり」の「おー」の「とぉーべーる」は楽にヒモが通るので、結びやすい。だから、こんな事しなくてもイイ気がしてきた。

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「普通でイイ気もします」が、それは口が裂けても言えない。

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普段からどーでもイイ話を立派そーに書いて頂いている甲斐あって、所属研究員はキレが違う!、よく見ればいきなりパーツ持参だから偉い!。50円ほど時給Upした甲斐あるじゃん!!。

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但し、“2重セット”は大いに評価するが、コレでは「出来るだけ楽する」の目標からは少し遠ざかる気がする。結ぶのと同じぐらい手間掛かりません?。

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まぁ、よい。「ピロピロ撲滅」という崇高な志のために、山ちゃん、暫くテストよろしく。そんでもって、後でレポート提出もよろしく。それにしても今日も、うぅ~寒いっ・・・。

アイゼンのひも/其の2(でなりらぼ)

土曜朝一、大先生、出勤前に業務連絡。ラッキー!、ブログネタ、一コマ増えた!!。IMGP00012[1]000075

え~、写真なしですかぁ!?~。『大先生直伝の秘技!』、コレっぽいのが一番知りたいのになぁ・・・。賢明なデナリブログ読者も取説なんて物は勿論熟読です(よね?)。でも、「ピロピロしないマニュアル」+「クイックセット」 の記載が何処にもないから困る。

大先生は「早くし準備して下さい」とか、「ちゃんとヒモの処理しないと危ないです」なんて“笑顔で優しく”言ってるつもりでしょーが、僕らは一般民間人はいっぱいいっぱいの時に“鬼の形相”で「早くしろ、この野郎!」とか「ヒモ踏んで怪我して~のかぁ!」と、妄想と現実の狭間でセットしている訳で、更には、ワンタッチ・セミワンタッチ・全部ヒモ、システムの違い・メーカーモデルごとのヒモ癖まで、「どーして私のヒモだけ・・・」と涙しているのです。

実は零号機は既に、私物クランポンを購入された委託研究員、V社S氏のヒモに有無を言わさず縫い付けさせて頂きましたが、弱腰な僕は流石に「カット」まで出来ず悶々としていたので、所属研究員の山ちゃんのヒモなら問題なし、「スッパ」と逝かせてもらいやす・・・。

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おや!?、そこそこボリューム出たので、まだこのネタは引っ張れるなぁ~。そんな訳で、資源節約、次回は一旦戻って壱号機(パイロット:山ちゃん)の公開です。

アイゼンのひも/其の1(でなりらぼ)

「アイゼンのひも」ですが、短かく切りすぎるとグローブしたまま締められないので「15cmぐらい」なんて言っていましたが、余った部分を縛るのにそれでは足りない気がして、最近では「20cmぐらい」にして「結びしろ」を確保しております。ただ、それでもほどけてピロピロするから許し難い。寒いなか一生懸命縛るから、その努力の分だけ余計腹が立つ!!。

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こー度々ほどけては、無気力・無抵抗、結局ピロピロし放題。しかしながら、このピロピロを踏んでは危険なので、にどーにかしなくては・・・。で、考えたのがコレ。

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右側のコキ(テープアジャスター)も一瞬考えましたが、見てくれよりも実用性、左側の「細引き+コードロックループ」をテストしてみます。勿論、「劣化二次元・引き籠もり」の僕が折角の連休を「現場テスト」などに使う訳などございません!。デナリさんには寒さに強い優秀なスタッフが揃っているので、そーゆー事は『どM』な人におまかせします。「お~い、山ちゃん連休何処?、雪山?」。

山ちゃんは「アイゼンのひもの長さ」に悩んでいたところですし、平野さんは「寒いのに鬱っていた」ところなので、お互いの利害は一致、ピロピロの完全撲滅、多分、イイ感じな気がします。とりあえず、山ちゃんレポートは後日。らぼマニアの皆様、期待できる(かもしれない)!?。

どーして伝わらないのだろぅ・・・(でなりらぼ)

アックスや縦爪の先っちょの研ぎですが、僕の説明が悪いのか?、どーして伝わらないのだろぅ・・・。今日は逆時系列で行きますので、完成品から。

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こちら修正後の完成品。元の形に近いハズです。なのに、皆様自分でお研ぎになった先鋭芸術作品を工場長の下に持ってきては、「隠し味に入れたソースでおかしい事になりました、“普通の味噌汁”に直して下さい」的な無謀とも思われる要求をしてくる。下が所謂“ソース味の味噌汁”、でしょ?。

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何時もどれも誰の物でも同じ形になっているから、感動。「え~、こーゆー風に研ぐって教わったんですけどぉ~」なんておっしゃりますが、何処の誰に教わったの?、皆さん同じ事を言うので、次は「師匠同伴」でお願いします。あなたの大切な刃先を無駄に削らせる悪い師匠に代金請求です。

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おっと、画像が8枚になってしまった。規定量に達しましたので、今日はここまで。「悪の師匠」を探し出して撲滅すべきか、根気よく伝わるよーに説明するか悩むところですが、お正月休みの間にでも考えておきます。

マニア向けアナコンダ(でなりらぼ)

“デナリさんの冬のニッチ産業はそこそこ忙しい”と言いながらも、新製品の登場とともに、隙間産業は『廃業』に追い込まれる。以前BNらぼに登場した『大人の工作』など至福の極み、LYNX(リンクス)さえ存在しなければ、カッターナイフ職人としてまだまだ腕を磨けた。

アックスについて言えば、PETZL社の新Quark(newクオーク)が出て以来「軽い」は物珍しくないが、ヘッドバランスなどもっと色々考えだすと、“旧”も未だ光り輝いて見える。息が長いSimond社アナコンダもいじくれば先鋭的なアックスに大変身!。

だから何ですよ、「自分に合った物、気に入った物」なら「ガラクタ投資」するより健全です。そんな訳で、先日大量加工され休眠在庫となるラムを寝かせないために『#68367、旧クオークカスケードピックをアナコンダに付けてみよう!』です。

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とはいえ、大層な事はしません。ヤルことは何時もと変わりません。大事な缶コーヒーも鉄粉まみれで「鉄分補充コーヒー」ですし、また雨で足は寒いし・・・。

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で、ラムを削り終えたら角を付けますが、おまけでついているタッピングネジは僕は使いません。「3mmボルト貫通処理」がガタつきもなく美しい。取付位置は自由ですが、『グー持ち』の方がヨレてきた時に指が開かないのでお勧めです。使っているうちに気づいてしまったので、僕のアックスの上角は全て位置変更しました(笑)。

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ハンマーでパコパコ叩いて、しっかり合わせます。ココで手を抜くとガクガク動きますのでご注意下さい。

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で、「明日までに着けばうれしいなぁ~」なんて毎度お世話になっている方に言われれば僕の辞書に「無理」など絶対ない!、世の中の90%は根性で出来ているのだから当然です!。あらゆる仕事を無視して、ラム加工・角付・グリップ処理までほぼ1日仕事、もっと早くも出来ますが、どんどん「こだわり&丁寧仕上げ」になっているので、最近、やたら時間かかります。

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「マニア向けアナコンダ」は、他ではあまり見た事ない、“シャフトセンターに重心”で仕上げているので、スイングバックしても前にも後にも引かれず、男女問わずイイ感じです。ただ、ラムの価格は男女問わずどっ引きです。振ってみたい人は僕の物がお店にほぼ置いてある(出かける時もある)ので、ご来店下さい。

幸か不幸か(でなりらぼ)

天気が悪い日は何処にも行けないので諦めもつく。

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でも、溜まった宿題は別の話、「諦めて下さい」など言えないので、雨の日の作業は泣けてくる。クオーク6本のアナコンダ4本かよ・・・。幸か不幸か、デナリさんの冬のニッチ産業はそこそこ忙しい・・・。

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「こんなの本気だせばスグですヨっ!」と言いたいところですが、お店のバックヤードダッシュの位置に工場長の作業スペースはございますので、作業と接客が入り乱れ、中々本気が出せない。そのうえ、雨の日ともなれば、足先が濡れるので寒い・・・。

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全て手作業、オンサイト+ワンオフメイキングなので、鋳物の個体差が許し難い・・・。左右対称、シンメトリーの美学をはじめから否定してくるヤツばかりで困る・・・。左after、右before。

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今日も「危ない物」を「凄く危ない物」に仕上げて、何やかんやで頑張ればほれ、3名様分完成!。次回はマニア向けアナコンダの作業に取りかかります。