アイス、はじめ(て)ました。(ヤマ)

 そろそろ東京周辺ではアイスクライミングのシーズンも終わりですが、今季から私もアイスクライミングを始めたということで、その感動を少しでも多くの人に解ってもらうべく、そしてアイスクライミング人口の増加を願って記事にしたいと思います。

 2月最初に一回だけ庭野さんにアイスのイロハを習った後、残りの三回は自力で笛吹川沿いという、とにかく練習練習のシーズンでした。最初は乙女沢でリード練習をして、残りは清兵衛沢でバーチカルの練習といった感じです。
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 アックスは大量放出されたX-ICEで、刃はオーナーにチューンナップしてもらったものを使用しました。一緒に行った仲間のは未研ぎのクォークでしたが、簡単に刺さる分こっちの方が上手く感じる錯覚。ボルダ―だったら完全に負けてるのに。低級だと道具の良し悪しが顕著に出るのでとても優越感があります。
今シーズンはあと一回くらい行きたいです。

新・ディスタンスFL入荷!!

 組立てと収納の速さが魅力のZポールシリーズ、ディスタンスFLが仕様変更しました。早速、新仕様のディスタンスFL』『ウィメンズ ディスタンスFLが入荷したのでお知らせします。

 仕様変更ということで、何が変更されたかという所を紹介。
 まずは見える所から、模様とロックシステムの変更です。ロックシステムはフリックロック『プロ』に変更されています。素材は樹脂からステンレスに変更され、固定強度とロックのしやすさが向上しました。従来の半分の力でロックすることができます。
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 次に見えない所は重量と値段ですが、『新』はいずれも増加します。
 まず重量は95-110cm、105-125cmのいずれのサイズも10gの増加で、おそらくロックシステムの変更が原因と思われます。
 次に値段は、¥10,500→¥12,600と¥2,100の増加となります。

重量および値段を考えると現行品より旧品の方がいいように思われますが、ロックシステムの変更で確かにロックしやすくなったのは事実です。それに無いもんは無いので仕方ないです。ちなみに2013年3月14日現在の旧品の在庫は95-110cmがメンズが4本、レディスが4本。長い方はありません。もし購入をお考えの場合はお早めに。

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購入、スペック詳細はデナリネットショップ「トレッキングポール 折り畳みタイプ」コーナーへ。旧品は商品名の後ろに(2012)表記のあるものです。

♥ケストレルforレディ♥

オスプレー『ケストレル』のW’s仕様『カイト』入荷です!!
ケストレルの機能を全て備えており、女性の体型にフィットするショルダーベルトとヒップベルトを採用しています。
女性らしいカラーリングを採用していて、
今年の夏山は今までよく見かけるケストレル人口がカイト人口にどの位変わるのか動向が気になります。

OSPREY:カイト36  @13,650
《S/M=41~48.3cm》
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OSPREY:カイト46
  @15,750
《S/M=41~48.3cm》
b-3-os005-1

『けすとれる』って?
多機能で数日間のハイキングやトレッキングに最適なザック。
・固定式のトップポケットは便利な2気室構造
・寝袋などを素早く取れる下部アクセスジッパー(1~2気室切り替え式)
・スリーピングパッドストラップ
・正面と両サイドにストレッチポケット
・ストレートジャケットコンバーション
・トレッキングポールアタッチメント
・アイスツールデイジー&バンジー
・レインカバーを標準装備
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スペック詳細、購入は店頭またはデナリネットショップ「ザックコーナー」までどうぞ。

きびだんごの正しい携行方法、冬。

R9211661 オーナーより北海道のお土産にと谷田の『きびだんご』をいただいた。そして何やらブログに『素晴らしき行動食』、『弱点は「寒いと硬くなる」「濡れると溶ける」』とあると実践せずにただ消費するなど恐れ多くて出来ないのであります。何かしらその正しい用法、新しい可能性を見つける必要があるのであります。
 桃太郎を目指す読者諸君は必読であります。まぁきびだんごの後日談ってことで・・・。
以下、実践。

 私の部屋は夜だと10℃くらいだが、弱点その1が発動。この時点ですでに硬直しており噛み切ることは不可能であった。硬さに関しては悪名高きPバー以上である。道産子の標準的な顎の力は凄いのだろうか?まぁとにかく冬季におけるレーションとしては適していないのではないだろうかと疑問に思う。しかし悲しいかな今はまだ冬であるが、実証実験をするには今しかないのだ。
 ところで、噛み切れないというのであればナイフで切るしかないのだがそれも歯が立たない(笑)。まな板と包丁で何とか押し切るが、現場でこの作業は不可能である。しかも切ったあと刃先にきびだんごがこびり付きとても具合が悪い。これは事前に一口大に切って持っていくしかないだろう。これで現場で噛み切る必要が無くなった。
P2240766 また、切断面は勿論、モチである(←うまい)ため他のきびだんご片や容器と接しないためにコーティングが必要である。事実、上の写真を撮った後、左右がくっついてしまいとても苦労した。さて、どうするべきかと一晩悩んだが答えは出ず。翌朝、朝食がわりにときびだんごを一口食べた時に、ピーンと来た。そう、答えはとても近くに、というかきびだんごが答えだったのだ。灯台下暗しとはまさにこのことを言うのだろう。と言うのは、きびだんごは全体をオブラートで包まれているのだ。そう、オブラートで切断面を保護することで、切断面が他の物につかないようにできるのだ。
P2240770 以上の事をまとめると、『冬季において谷田製のきびだんごを山行、もしくは旅に携行する際は、家で一口大に切り分けた後、切断面をオブラートで保護をする必要がある。』テストに出るので要注意。
 他には懐に入れて常時あたためておくというのも一つであるが、これは一気に食べなければならない、いずれにしても噛み切るのは困難である、というデメリットがある為やはり前述の事前切り分け法がベストである。ましてや、腰に巾着をつけてそれにそのままいれておくなど論外である。

 さて、今回はきびだんごの正しい携行についてでした。次回は、『現代に蘇る!きびだんごの新しい可能性』です。(注:検証が失敗の場合、投稿はありません)

超☆ブランケット。

またの名をサバイバルシートなどと言うが、その進化が目覚ましい。
以下に挙げる物は従来のけいりょうな使い捨てタイプ(再利用は可能だが再度収納は不可能)である。これもかつては両面銀色であったが現在は片面が金色で光・熱吸収の効率化が図られている。
IMG_6313LIFESYSTEMS:THERMAL BLANKET @788
HighMOUNT:SurvivalSheet-G/S @630

そして以下に挙げるのが現代のサバイバルシートだ。時代はエコである。できるだけ何回も使える物を。そして時代は軽量化である。装備品自体を軽くするという考えもあるが、それとは別にそれ一つで多目的に使用できる事で装備品の絶対数を減らすという考えだ。これは後者に当てはまる物である。
IMG_6315SOL:スポーツユーティリティブランケット @3,150
使用方法はある意味無限大であるが、いくつか例を挙げてみる。
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1.張った紐にかけてタープとして
2.テントマット、グランドシートとして
3.羽織ってブランケット、もしくは緊急時のサバイバルシートとして
4.二本のストックを使用して簡易式担架として
5.表面が発色の強い橙色の為、上空のヘリに現在地を知らせる緊急サインとして
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以上のように一つでサバイバルシートの役割のみでなく、日よけ雨よけのタープ、引っ張り強度が高く荷物運搬に使えるなど特にキャンプにおいて絶大な威力を発揮する!!

基本的にサバイバルシートはザックの肥やしとなるのがベストではあるが、もっと使用頻度を高くしてギアとしてのポジションを確立させてみるともしかすると新しいタクティクスが生まれてくるのかもしれない。おしまい。

白毛門沢ダッシュ&ストップ遡行

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最近簡単できれいな沢に惹かれる。
夏の間は割とアグレッシブな沢登りが多かったからその反動なのだろうか。
先週末は谷川連峰の白毛門岳に突き上げる白毛門沢に行ってきた。
明らかに油断していたのか遡行図は愚か地形図すら持たずに行ってしまった。
もっとも沢なんて道が無くてあるようなものだから勘で何とかなるといえばなるのだが。

下部のハナゲノ滝をはじめとする直登可能な滝や、滑床のきれいな渓相が延々とつづくいい沢である。水量もないので秋の沢にはいいだろう。
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4時間かからず遡行してしまったので、日光もあたたかったから上流部で1時間半ほどダラダラと過ごした。
時には沢内でもこんなゆっくりした時間を取るのもまた悪くないなぁと思った。
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頂上から眺める笠ヶ岳は紅葉が素晴らしかった。

ダッフルバック(まむーと、ぱたごにあ、ばーぐはうす)あります。

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 山行への交通手段が車の方に便利なダッフルバックを各種揃えています。
 コッフェルや火器、ザイルやギアから果てはパンツ靴下なんでもござれ。山行に必要な物を全部ぶち込んでおいて思い立ったらそれごと車に放り込めば即出発できるぜ!なんてなんともものぐさな発想しかできない自分にガッカリしますが、そもそも車を持っていないから関係ないかと思ってみたりみなかったり。
 まぁそんな発想はおいといて、実際は便利なもんで初心者を連れて行く時などは予備の物を入れておいたり、ギアの管理にもちょうど良かったりします。耐久性の高い素材を使っているのである程度雑な扱いをしたり、多少雨に打たれても問題ありません。

MAMMUT:Cargon
《90L @19,950》
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patagonia:BLACK HOLE DUFFEL
《60L @14,700》
《90L @17,850》
《120L @22,050》
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berghaus:LEVIATHAN70

《70L @14,700》
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これからオフシーズンで、そろそろギアの片づけを始めている人もいると思いますがそんなときに一つ、どうでしょうか。

秋もまだ沢シーズン。

いつの間にか秋になって山も鮮やかになってきましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

まだまだ沢のシーズンは続いていますが、秋の沢は夏の沢みたいなみずみずしさは無い物の、鮮やかな彩りがある様はいとをかし。
と言うことで、先週末は金峰山から本谷川に注ぐ金山沢(イサゴ沢)に行ってきました。
 前日に旭タクシーの建物で一泊して、翌朝にタクシーで瑞牆山荘の手前まで行った後、ちょっと歩いて入渓点です。
 下部はゴルジュの中、少しテクニカルな小滝を何個か越えて、上部では紅葉に囲まれたナメを登り軽い藪漕ぎで大日岩と金峰山頂との登山道に出ます。4時間ちょっとの日帰りルートなので週末にちょっと沢に行きたいけど、丹沢はちょっとな・・・って時にいい沢でした。紅葉は今週末がピークのような感じでした。
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 デナリも一階はまだ夏物で、二階は冬物となんだか秋みたいな雰囲気ですが、襟シャツを買い忘れたキャップを買い忘れたなんて人は急いで来ないと明日にはダウンになっていましょう。知らないですけど。

学生の経済事情と現代的食糧について

 現代の食料は実に軽量で体積も小さい。さらに水分も燃料消費も少なくてすむ。ウルトラライトは装備のみならず食料もまた例外ではないようだ。
 しかしそんな現代においても、学生の山行での食料計画は大抵の場合、生米生野菜が基本である。そして一日の食費は500円という遠足のおやつ並みの予算からすれば、α米(白米:294円)だフリーズドライ(カレー:315円)だなんてブルジョワジーの食べ物など我々の食卓にあがるはずも無いのである。もっとも学生などそんなもんだと言われればそれまでであるが。
 
 ちなみに今回の中国遠征での食糧はα米と具無しカレー、具無しシチューであった。
・・・。カレー、シチューはただのブロックのルーを溶かしたものであるが、アレ?おかしくね?α米食ってんじゃん?というご指摘があると思うので予め答えておこうと思う。
 やはり長期山行や軽量化を意識した活動では食料の軽量化は欠かせない物なので仕方なくα米の使用を決断したが、今回使用したα米は全て学校に常備されている非常食だったものだ。賞味期限は当然のように切れている。こんな時の為にも部室にはそういった学校の放出品的食料が常備されているのだ。やったね。(ちなみに生米は流石農大と言うべきか、OBから毎年届くものを使用している。)

 と、少し脱線してしまったがそんなブルジョワジーの食べ物は果たして旨いのだろうか?少なくともα米は旨いとは思えないが、果たしてドライフーズはどうだろうか。先日、思いがけずアマノフーズの『香る野菜カレー』315円を食べる機会があったので試してみた。
 お湯を注いでかき混ぜるだけ(約十秒)という簡単な調理はさることはながら、この香りはなんなんだ!確かに元々カレーは香辛料の香りが強いのだが、なんとも食欲をそそるいい香りが鼻孔をくすぐる。単純に私が前日から何も食べていないとはいえ、これは当たりの予感である。わずかな大きさのブロックから、ざく切りのナスや玉ねぎ、インゲン豆があふれてきて、見た目にもおいしい。もはや味の想像などいいともたやすくできた。というか、おいしかった。どちらかと言えばスープカレーでいわゆる日本のカレーではないが、スープのサラッとした感じがα米にはちょうどよかった。そう、これならα米もまたおいしく食べれるというものだ。もちろんスープのように飲んでもまたおいしい。
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 今回はカレーのみであったがアマノのドライフーズは中華丼や親子丼などの丼物や豚汁やナメコ汁などミソスープもある。ちょっとした山行のお昼ご飯にもちょうど良いのではないだろうか。オーナー曰くしびれるほど旨いそうだ。ためしに一食どうだろうか。
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α米も数種類から選べます。

と こ ろ でじゃあ今度からこれにしますか?と聞かれたらそれは悩む。これは我々にとって、いわばツェルトビバークをするか山小屋に泊まるかほど大きな問題なのである・・・。

純白なんてなかった中国沢登り遠征。

  中国での沢登り遠征は無事終了しました。
  
 なんだかんだあって結局山脈の西面を一本遡行する事しかできませんでしたが、中国で沢登りするという事についてかなり収穫があった遠征でした。
 で、今回登った沢は山脈北部にある上邑小河(右俣右沢)という名前でした。入渓点からの標高差は1500mで、アプローチは漾濞の北部にある永地村(漾江)から徒歩6時間、下山10時間永地村に帰ってきます。行程は3泊4日です。
 渓相としては岩がゴロゴロしている割に水量は多く、ゴルジュはほぼ無し。苔が多く、岩はヌメヌメ。フェルトソールでもずるずる滑るほどで、ラバーソールなら最早フリクションゼロ。大きな滝はそれほど多くは無いものの小滝の連瀑帯が続き、沢は常に泡立っている。そんな沢でした。下山時に左沢に100mほどあるであろう大滝を確認。右沢の連瀑帯に代わるものと思われます。
 期待していた『純白の沢』ですが勘違いはなはだしい。磨かぬ岩はただの岩でした。
 で、冒頭の『なんだかんだ』ですが山脈東面は管理が厳しく自由な登山は禁止されています。流石に頭悪い学生とはいえ現在の日中関係から今回は自粛しました。

P8290731蒼山山脈東面。ゴルジュや大滝が豊富な予感・・・。が今回は断念。
P9011198入渓点付近。最初の二俣に10m程度の滝がそれぞれの入り口にかかっています。そこまで微かな踏み跡が沢沿いに残っていて、かつての大理石採石所だったことがうかがえます。クルミの木が多く、いまでは地元民の収入源になっているようです。
P9031329彼方に見える大滝。
P9021323うっそうとしていてアザミの強襲や倒木やツタ植物に苦しみながら遡行。
P9041372ツメの100mは激しい藪漕ぎに・・・。
P9041438稜線には登山道が残っていてお花畑の中下山。
この先に地獄の下山が待っていることをまだ知らなかった。

ところで、帰国が13日だったのですが2、3日遅れていたらボコボコにされていたかもしれないと思うとゾッとしますね。でも中国はいい所でした。大理や今回行った小さな村の人は我々が日本人だと知っても、とても親切にしてくれて反日なんて言うのは実は本当に一部の話なんだと実感しました。
ということで、今後も中国で沢登りをしていこうと考えています。乞うご期待。